【2022年9月 RIZIN】朝倉未来vsメイウェザーが決定「世界に名を売るために」

【2022年9月 RIZIN】朝倉未来vsメイウェザーが決定「世界に名を売るために」

2022年6月15日

2022年6月14日(火)、RIZINが公式YouTubeチャンネルにて記者会見を開催しました。会見には代表の榊原CEOが登壇。榊原CEOは、2022年9月に日本で開催予定のRIZINにて、プロボクシング元5階級制覇王者「フロイド・メイウェザー・ジュニア」と、YouTube登録者数200万人以上・『路上の伝説』の異名を持つ総合格闘家「朝倉未来」がエキシビションマッチで対戦することを発表しました。

朝倉未来 vs メイウェザー

現時点で日程やルール・会場は未定とのことですが、今月中には決定を予定しているそうです。

会見で朝倉未来は、「今回フロイド・メイウェザー選手と戦うということで、僕はMMAファイターなんで今後世界に名前を売るために今回ちょっと利用させてもらいます。倒します」と話しました。

朝倉未来に続いてコメントを求められたメイウェザーは、自分がこれまで積み上げてきたキャリアを振り返りつつ、いま世界中を旅しながら世界のファンにエンターテイメントを提供できている状況について感謝を延べると、対戦相手である朝倉未来について、「彼が所属しているRIZINは素晴らしい団体です。彼が望むのであれば、そして金銭面で自分の条件に合うのであれば、5Rでも8Rでも全然やります。いまの自分がフォーカスしているのは、日本の人々を楽しませること。日本人が見たいものを見せたい。エキサイティングなものがよければそうするし、ぬるい感じがよければそのように対応します。対戦相手である彼には悪いけど、彼の試合映像を見る気はないし、見る必要もない。過去に戦ってきた対戦相手のひとりでしかないからです。キングは私1人しかいない」といった趣旨のコメントを返しました。

このメイウェザーのコメントは1時間以上に及び、会見で隣に座っていた朝倉未来は会見中に「メイウェザーマジで話なげぇ」とツイート、SNSで話題になっていました。

こうして記者会見の第1部はメイウェザーの独壇場で終了。メイウェザーは第1部で降壇し、第2部になってようやく朝倉未来への質疑応答が開始されました。

質疑応答では、今回のエキシビションマッチについての率直な感想や今後の展望(クレベル・コイケへのリベンジ、BELLATORとの対抗戦等)について語り、ボクシングのエキシビションを挟むことでMMAに影響は出ないのか?という質問に対しては、「メイウェザーは総合寄りのボクサー。出入りが早く、(こちらとしても)ボクシングに寄ることはないと思う。むしろMMAのキャリアにおいて凄い収穫が得られる戦いになるんじゃないかと思う」と話しました。

那須川天心のかたき討ち

「RIZIN」と「メイウェザー」の単語が並ぶと、那須川天心のことを思い出す人も多いのではないでしょうか。いまからおよそ3年半前、2018年の大晦日に開催されたRIZINで、メイウェザーと那須川天心はボクシングルールでエキシビションマッチを行っています。あのメイウェザーが日本で戦うということで、当時は格闘技業界の枠を越えて日本全体で大きな話題となりました。

結果は、メイウェザーが1ラウンドに3度のダウンを奪いTKOで勝利。あのときの衝撃は、いまだに忘れられません。キックボクシング界の神童と謳われ、33連勝中と向かうところ敵なしの状態だった那須川天心を、メイウェザーはあっという間に倒してしまいました。怖いくらいのレベルの違いでした。子供と大人の喧嘩を見ているかのような。試合後の天心の泣き顔が、よりそう感じさせました。

あれから約4年のときを経て、メイウェザーがRIZINのリングに帰ってきます。相手は、日本で最も影響力のある格闘家・路上の伝説゠朝倉未来です。朝倉未来と那須川天心は互いのYouTubeでコラボ動画を配信するなど仲が良く、2022年4月に行われた天心のRISEラストマッチ(vs風音戦)では朝倉未来が天心のセコンドについたほどの深い親交があります。

こうなれば、「朝倉未来に那須川天心の仇を取って欲しい……!」と考えてしまうのが格闘技ファンの性ではないでしょうか。正直なところ、いくら朝倉未来でもボクシングルールでメイウェザーに勝つ(もしくは明確に圧倒する)ことはかなり難しいでしょう。プロボクシング経験があり体格で大きく上回るローガン・ポールでさえ、メイウェザーには圧倒されてしまいました(2021年6月)。階級が近い上に、ボクサーではなくMMAファイターであることを踏まえると、ローガン・ポール以上のパフォーマンスを発揮することも困難かと思われます。それでも、朝倉未来なら何かやってくれるんじゃないかと思ってしまう。勝つことは難しくても、必殺の左ストレートを1発くらいはカウンターで叩き込んでくれるんじゃないか……!(あわよくば罰金覚悟で左ミドルも……) そんな期待を抱いてしまいます。

どのような展開になるのか、深く考察してみなければなんともいえませんが、朝倉未来にとって厳しい戦いになることは間違いないでしょう。しかし、この1戦が今後の日本の格闘技界を盛り上げる上で非常に大きな役割を果たすことになると思うので、一格闘技ファンとしてわずかでも神輿を担ぐことができればと思います。